旧3行の争いは、最初に第一勧銀が排除され、富士・興銀の争いとなったが、2011年のシステム障害でみずほ銀行の頭取だった富士出身の西堀氏が責任を取らされ、富士の勢力がそがれた、と銀行内で言われている。

 どの銀行の出身の誰がトップになろうと顧客サービスや業績が大きく変わるとも思えないが、銀行内部では職場の雰囲気や自分の昇進に影響する出来事のようだ。「内戦とはよく言ったもので、3行統合してから多大なエネルギーが内向きの関心事に割かれるようになった」と中堅の行員は言っている。

 些細な過ちから始まった反社会的勢力への中古車ローンが銀行の信用を揺さぶる不祥事に発展したのは、ゆがんだ経営風土に原因がある。トップの責任である。頭取は当事者として関与していなくても、企業のガバナンスに責任がある。佐藤氏が持ち株会社と現業の銀行のダブルトップを続ける正当性は失われたのではないか。

 だからといって別の出身母体の頭取を据えれば、再び内戦は激化するだろう。さながらアサド大統領を退位させることができないシリアのような状況だ、と評するみずほOBもいる。「昔なら財務省の大物が天下りする絶好のチャンス」という声もあがる状況の中だ。佐藤頭取はどのように責任を表明するだろうか。