最近、『「いつも忙しい」がなくなる心の習慣』(水島広子/すばる舎)という本を思わずネットで購入した。以前から時間の使い方が下手だと感じており、この書籍の紹介に書かれている「『物理的にどれだけ忙しいか』ということと、『主観的にどれだけ忙しいと感じるか』は必ずしも一致していない」という言葉に共感したからだ。確かに、ものすごく忙しい毎日を送っているはずなのに、なぜか余裕があり、プライベートも満喫している人はいる。とても羨ましいし、できればそうなりたいものだ。
そんなことを考えていたとき、下記で紹介するような調査を見つけた。調査によれば、年収1000万円以上の人は「意外とプライベートも大切にしている」ことがわかったという。詳細を見てみよう。
調査は、ビジネス・ブレークスルー(東京都千代田区)が行ったもの。実施期間は2012年9月20日~2013年10月17日。集計時有効回答は2065人(男性1611人、女性454人)。
帰宅時間約1時間、睡眠時間24分が
年収600万円の差に?
調査ではまず、ビジネスパーソンの年収と同社が行う「ビジネススキル診断」のスコアを比較。年収400万円未満の人の平均点が32.3点だったのに対し、年収1000万円以上の人の平均点は52.7点。年収の高い人ほど平均点が高い結果となった。このことから同社では、年収1000万円以上のビジネスパーソンを「デキル」ビジネスパーソンと位置づけている。
年収1000万円以上=「デキル」ビジネスパーソンという位置づけには読者の方から異論もあるかもしれないが、興味深いのは次の調査結果だ。「仕事とプライベートの時間配分」について聞いたところ、年収400万円未満の人(563人)が「仕事<家庭(プライベート)」(39%)、「仕事=家庭(プライベート)」(34%)、「仕事>家庭(プライベート)」(27%)だったのに対し、年収1000万円以上(199人)は順に13%、42%、45%だった。
プライベートの時間配分が多いのは年収400万円未満だが、年収1000万円以上の人でも仕事の時間の方が長いと答えているのは半数以下。また、仕事とプライベートに同じぐらいの時間を割いていると答えたのは年収400万円未満の人より年収1000万円以上の人の方が多かった。このことから同社では「『デキル』ビジネスパーソンは意外とプライベートも大切にしている」と分析している。
また、平均帰宅時間は、年収400万円未満が19時42分、年収1000万円以上が20時48分、平均睡眠時間は順に年収400万円未満が6時間18分、年収1000万円以上が5時間54分。予想通り高年収の人のほうが帰宅時間が遅く、睡眠時間が短い。しかし、帰宅時間が約1時間遅く、平均睡眠時間が24分短いだけの差で年収600万円の差が出ると考えるのであれば、睡眠時間・帰宅時間が年収に与える影響が大きいのか小さいのかは、判断がつきにくい。