9月にNHK「あさイチ」で放送され話題を呼んだ「産後クライシス」。出産後に妻の愛情が急速に冷めてしまう実態についてレポートしたものだ。「あさイチ」の番組紹介ページではベネッセ次世代育成研究所が行った調査も公開されている。

結婚3年未満でも
「離婚考えたことある」4割以上

 ベネッセの調査では、約300人を対象に、妊娠期から子どもが2歳児になるまでの夫婦の愛情度を調べている。これによると、「夫(妻)への愛情を実感する」と答えた人は妊娠期には夫・妻ともに74.3%だが、子どもが0歳児期では夫が63.9%、妻が45.5%に低下。1歳児でもその割合は下がり、2歳児期では夫51.7%、妻34.0%だった。夫婦どちらとも愛情の実感が減っていることがわかるが、特に妻側の減り方が顕著だ。

 番組のホームページでは、この「産後クライシス」の克服方法について大事なのは「夫が父親として自覚を持ち、産後に家事・育児協力をすること」としている。また、東洋経済オンラインの記事「日本人を襲う『産後クライシス』の衝撃」では、「この『出産後に、急激に夫婦仲が悪化する現象』。実は、家族社会学などの分野では長年の研究蓄積がある “定説”だったりします。しかし、このことは日本ではあまり語られてきませんでした」と、出産後が夫婦にとっての「正念場」であることを伝えている。

 子育て中の女性の声を集めたサイト「ママこえ」では、「結婚3年未満のママに質問! 本気で離婚しようと思ったことはある?」というアンケート結果を見ることができる。対象人数は公開されていないが、結婚3年未満ですでに44%が「ある」、8%が「すでに離婚している」と答え、離婚を考えたことがあるか、すでにそれを実行した人が半数以上という結果がわかる。