ちなみに、栗きんとんを始めとする栗菓子で有名な中山道馬籠宿には、『木曽街道膝栗毛』を書いた十返舎一九の、「渋皮の むけし女は見えねども 栗のこはめしここの名物」という狂歌碑が建っています。

栗きんとん
【材料】生栗…30個/砂糖…大さじ3程度
【作り方】①生栗を洗い、底の丸みのある方に縦に切り目を入れ、ヒタヒタの水で40分間、中火で茹でる。②栗をザルにあけたら温かいうちに縦半分に切り、スプーンで実をかきだす。③②に砂糖を加えてよく練り、ラップで包んで茶巾絞りにする。

 この狂歌にあるように、当時の馬籠宿では「栗のこはめし」=「栗の強飯」=「栗おこわ」が名物だったことがわかります。

 また、堅くて腐りにくい栗の木は、支柱を始めとする建材として、古代から重用されて来ました。

 江戸時代には栗の木で作った屋根板が主流で、他にも壁板、板の間、縁側などにも使われました。

栗汁粉
【材料】栗の甘露煮…2個/マロンペースト(またはこしあん)…大さじ3/白玉粉…50g/水…500ml
【作り方】①白玉粉に少しずつ水(分量外)を加え、耳たぶの硬さになるまで練る。②鍋に湯を沸かし、①をコイン大に丸めて真ん中を凹ませたものを茹でる。浮き上がってきたら水に取る。③別の鍋にマロンペーストと水を入れて火にかけ、よく煮溶かしたら②と栗の甘露煮を入れて温める。

 時代が下って鉄道が引かれるようになると、線路の枕木に使われたのは、やはり耐久性と耐水性に優れた栗の木でした。

 栗はこのように、我々の食と住を長年支えてきてくれました。