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いきなり年収1000万円になっても、これで大丈夫!?
ソーシャルゲームバブル入社組に憧れるあなたに贈る
ゲーム業界の歩き方2013・幸せマニュアル編

石島照代 [ジャーナリスト]
【第46回】 2013年12月6日
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 そのリストラは結局、非開発職向けだったのだが、東京・六本木ヒルズ本社に勤める開発職の間でも「明日は我が身か」と動揺が広がったそうだ。

 ある非ゲームIT系企業社員も「グリーに行った複数の元同僚からは、随分電話かかってきましたね。『戻れないかな?』って。彼らも転職して年収が1000万円超えたクチですけど。一年前までは、もし私が転職すると、(紹介した)彼も私も転職支援金のような名目で年収とは別に40万円もらえるそうで『こっちこない?』とかよく言われたものですけどね。そういえば最近誘われないなあ。チームごと抜けた部署もあって、その穴埋め大変だったんですけどね」と苦笑しきりだ。

 そんな折、あるスマートフォン向けゲーム開発企業の役員は、社内で居場所を失っていたグリーの若手社員に「年収500万円だけど、よかったらウチに来ないか」と声をかけたという。「彼はまだ20代前半で、本来なら500万円でも多い。実績もないし、非開発職だったし。世話になったので人助けのつもり」だったそうだ。

 すると、本人ではなく転職エージェントから連絡があり「1000万円出してくれたら行きます」と言われ、その時初めて彼が年収1000万円社員と言われる「ソシャゲバブル入社組」であったことを知ったという。

 役員は面食らって「希望年収以外に希望は?」と尋ねると、「ない」という。転職エージェント曰く、彼はとにかく「1000万円くれたところに行く」の繰り返しで、「彼は扶養家族もなく、特にお金が必要なわけでもない。とにかく、『年収1000万円の自分』でいたいようです」ということだった。

 役員は「私が聞いている範囲では、グリーから転職したケースで、年収が上がったケースは知りません。イーブンだったケースは数えるほど、大半は下がるか半額以下のケースもありますよ。私は力になれませんでしたが、彼が望み通りの職場を見つけられるよう祈っています」と話を結んだ。

コンテンツ業界開発職の平均年収は522万円
ただし個人差は大きく上は1000万円超えも

 新入社員の年収1000万円とは、どれくらい高いのか。開発者向けカンファレンス「コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス(CEDEC)」の運営委員会の調査によると、平均勤続年数7年の開発職の平均年収は522万円 (標準偏差301万円、平均年齢33.64歳) だという。この年収をベースに考えると、新入社員の年収1000万円は2倍弱に迫る数字だ。

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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