依頼人に“この間、合コンで知り合った人”など存在しない。ただ、何も知らずにそれを聞いた彼は、「自分以外にも気になる男がいるのか……?」という思いがよぎるだろう。

 もし彼が依頼人に対して本気であれば嫉妬心を抱き、より真剣に依頼人と付き合うようになるかもしれない。逆に本気でなければ、それまで。依頼人の狙いは、曖昧な彼の気持ちを揺さぶり、今の関係をはっきりさせることだった。

 芝居は成功。依頼人は彼の反応を見て、本気度を推し量ることができたという。

瞬時に要望に応える人が欲しい
もはや友人は“道具”なのか

「レンタル友達」のビジネスの一例が上記のものだ。

「人が困っていることに対して応えるというビジネスです。ただ、困っていることは多様化していて、人それぞれ。ですので、“これをやります”というようなメニューはつくれません。こういうビジネスを表現する言葉が見つからなかったので、『便利屋』といっています」

 クライアントパートナーズを創業した社長の安倍真紀氏はこう話す。便利屋といえば、個人向けなら掃除や洗濯、買い物などの家事全般の代行、法人向けであれば店舗閉鎖の際の事務機器の処分や清掃、さまざまな雑務の代理業務などが想像される。

 安倍氏も当初はこうしたニーズを吸い上げるために店舗や企業を訪問し、困っていることを聞いて回っていた。「おかしい人だと思われていました」。安倍氏は門前払いされることも多かったという。

 だが、だんだんと仕事の依頼が増え始め、約3年前に会社を設立。今ではフランチャイズ契約を15店舗と結ぶまでに成長した。

 今や依頼内容は、『便利屋』の想像を越えるほど多用で、分類できないほどになる。冒頭に紹介したのは一例で、同社のホームページの依頼例を見ると、寄せられる内容の幅広さがわかる。一部を抜粋してみよう。