例えば、亡き父親が1987年に1200万円で購入したゴルフ会員権を相続して、自分の名義に替えているとしよう。現在の価格が30万円として、売却すれば1170万円の損失となる。2014年の給与所得が1000万円となった場合、今年3月までに売却しておけば、2015年の確定申告で、給与所得から1170万円の損失を引くことができる。その結果、2014年の所得税は0円となり、会社でおさめた所得税が還付されるばかりでなく、2015年の住民税を納めなくともよくなるのだ。

 もし、2014年4月以降に売却をすれば、そのような税制上の恩典は受けられない。

 ゴルフ会員権によっては、名義変更停止しているものもあるが、その場合には念書売買でもよいので、業者を挟んできちんと売買契約書を作成しておくことが必要である。

 絶対に避けてほしいのが、「譲渡したことにする」ということだ。実際には売買していないのに、友人や家族相手に架空の売買契約書を作成し、しばらく名義変更しないなどという特約を付けているケースがある。

 15年ぐらい前に「不良ゴルフ会員権買取機構」という会社があった。この会社は、「会員権は買い取りますが、名義変更は致しませんのでそのままプレー権は保証いたします」と喧伝していた。社長は税理士であった。この会社を利用した会社員は、全員が損益通算を否認され、大変な目にあった。

 損益通算は利用したいが、まだそのゴルフ場でプレーもしたいという場合には、一旦自分のゴルフ会員権を譲渡して、もう一度そのゴルフ場の会員権を購入すればよい。いわゆるクロス取引だ。名義変更料は余計にかかるが、きちんと売買契約をして譲渡をしておけば安心だ。