営業利益率アップのウラには、
大きなリストラがあった!
その一方、営業利益は過去5年間で一貫して増加しています。売上高が減少傾向にあるにもかかわらず、営業利益が増加しているのは、販売費及び一般管理費を削減しているためであることがわかります。
そして、販売費及び一般管理費が減少しているということは、人件費削減などのリストラを行っている可能性が高くなります。そうした目で見ると、23年3月期の特別損失が101億27百万円と大きくなっていることに気がつきます。
連結損益計算書の原本を見ると、この101億27百万円には、特別退職金30億82百万円が含まれていることがわかります。つまり、23年3月期以降、販売費及び一般管理費が大幅に減少しているのは、この期に実施した人員削減を柱とするリストラのためであることが推定できます。
そして、会社がこうした大規模なリストラに踏み切るきっかけとなったのは、恐らく21年3月期の最終赤字です。このように、会社の業績推移を時系列的に見ることによって、各期の数字の意味が一層鮮明になるため、会社の業績の趨勢やその背後にある経営者の意図を読み取ることが可能となります。
(次回掲載は、未定です)
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