本日のテーマは「注意すべき勘定科目」です。業績悪化や粉飾をどれだけ隠そうとしても、特定の勘定科目にその兆候があらわれます。その見抜き方を詳しく見ていきましょう。
決算書、まず「ここ」を見る!
業績悪化や粉飾の隠れミノとは?
本日のテーマは「注意すべき勘定科目です」。財務諸表分析によって、業績の悪化の兆候や粉飾の可能性を探るという観点から、特に注目すべき4つの勘定科目についてご説明します。
(1)棚卸資産―ときに時限爆弾となる
棚卸資産とは、一般に在庫と呼ばれるもので、会社が販売目的で保有する商品などのことです。貸借対照表の中では「商品及び製品」とも呼ばれます。製造業であれば製造途中の仕掛品や原材料も棚卸資産に含まれます。
商品というものは、通常、「仕入→在庫→販売」というプロセスを繰り返しています。そして、販売が順調であれば、在庫として長く会社に留まることはありません。
しかし、売れ行きが悪い商品は、仕入から販売までの期間が長くなるため、在庫として会社に長く留まり続けることになります。このようにして会社に滞留し、売れなくなった商品を「不良在庫」と呼びます。こうした不良在庫が増えれば増えるほど、貸借対照表の棚卸資産の残高は増加していきます。