財務分析の世界では、「ROEの高い会社は、よい会社」とよく言われます。しかし本当にそうなのでしょうか?銀行と監査法人にて、上場企業から中小・零細企業まで、のべ数百社の財務分析を行ってきた著者が、多角的な視点から、会社の本質を丸裸にする独自の手法を明らかにします。

あの好業績企業も大赤字に!
新聞報道で「いい会社」はわからない!

 新聞の経済面を見ると、上場企業の業績について「今期増収増益!」とか、「過去最高益を更新!」といった見出しが躍っています。

 このような記事を読むと、その会社のことを「いい会社だな」と思ってしまいがちです。しかし、今期の業績は好調かも知れませんが、いつまでも増収増益が続けられるとは限りません。

 例えば、ソーシャルゲーム業界で圧倒的な好業績を叩き出し続けていたグリーも、2013年8月に発表された「2013年4~6月期の業績」では、3億1100万円の大赤字を出しました。

「いい会社とは何か」と問われると、なかなかひと言では答えづらいものですが、少なくとも、「つぶれない会社」は、いい会社の最低条件を満たしていると言えます。しかし、新聞報道で取り上げられるような短期間の業績変動では、いい会社かどうかは判断できません。