「即戦力ではないので本来なら年収が下がることはわかっているのですが、子どもの教育や生活費を計算するといまの水準を下げることができません。なので、前の会社と同じ600万円を希望とさせてください」

 こんな風に言えばよいのです。まず大事なポイントは自分の身の程と希望年収が合致しているかどうかで、もし事情があればそれを説明して理解を得るということです。

 見方を変えると、もし企業の提示してきた条件が自分の身の程と比べて安いと思えば、根拠を提示して条件アップ交渉を行ってもよいということです。

 先日、最初は企業からのオファーが年収1500万円だったのに対し、最終的に2000万円を超える年俸で決まった案件がありました。この方はある分野のプロフェッショナルで、その世界で広いネットワークを持っているのと同時に、採用する側もかなりキャッシュリッチな会社でした。

 この方は最初のオファー金額を受けた後、「これくらいの案件を取れそうだ」という見込みを会社側へ提示することにより、大幅な条件アップを実現しました。

 条件アップ交渉をするときはこのケースのように、事実に基づいて「これくらいの貢献ができます」と提示することが大切です。無意味に条件をつり上げろ、という話ではありません。この候補者のように条件をアップして欲しい場合はそれなりの理由や根拠が自分のなかにあるはずですから、それをきちんと提示して交渉せよ、ということです。

 そのとき、あまり大きなことを言い過ぎると後で自分が困った立場に追い込まれる危険もあります。そこで給与条件のアップではなく、慎重に、成果を出した場合にどのくらいの還元をしてもらえるのかを確認しておくのも一つのやり方です。そこで約束を交わし、約束通り成果を出せば、年収アップに結び付くようにすればいいのです。