ポジティブな変化もあるソニー
持ち株会社化など組織改編が必要

 ソニーが置かれている状況を一言で形容すると「事業環境の変化に同社組織体系が追い付いていない」となる。

 平井社長新体制になってから、相次ぐ資産売却、事業売却やJV設立など、バランスシートの最適化、事業ポートフォリオの再構築を進めており、その方向性は正しいと評価している。また、各種施策を実行するスピードも、ストリンガー時代と比べ圧倒的に速い。

 さらに懸案のエレクトロニクス事業については、XperiaZなど特徴ある製品、PS4などヒット製品の輩出と、製品における「ソニーらしさ」や、魅力的な新製品が増えていることなど、明らかな変化が感じられる。これは、事業部間の協業や、製品開発体制の改善などを背景としており、平井新社長の戦略が奏功している一面といえよう。

 一方で、テレビ事業は10期連続赤字と期初の公約を果たせず、同じく黒字化を標榜していたVAIOは売却を余儀なくされた。

 金融市場においては、テレビ事業の子会社化、VAIO事業売却、本社や海外子会社の大幅な人員・コスト削減などの施策を、従来とは異なる思い切った行動として評価する向きもあるが、筆者にはそう映らない。

 同社においては、エレクトロニクス関連事業だけでもSony本体のほかに、Sony Computer Entertainment、Sony Mobile Communicationがあり、ビジネスユニットは依然、製品ごとに細かく分けられている。業界全体として、最終製品がスマートフォン、タブレットPCに急速に集約されていくなか、同社の現行の組織体制が完成形とはとても思えない。

 現行の組織を一旦すべて解体し、本社機能は少数精鋭の持ち株会社とし、エレクトロニクス事業はモバイル関連、その他製品、BtoBの3カンパニー程度に集約、このほか映画と音楽を集約、金融と合わせて5カンパニーをぶら下げるような、大胆な組織改革が必要なのではと考える。

 当然、その際に必要な構造改革施策や関連費用の拠出は、今回の比ではない。しかし、今後の事業環境の変化を見据え、それに見合った組織体制を一気に取らないと、これまでのように収益悪化→構造改革実施→資産売却による資金捻出→更なる市場収縮などによる減収→収益・キャッシュフロー悪化→構造改革実施と、悪循環が続く可能性が否定できない。