2007年の日本株は厳しかった。TOPIXの年初からの騰落率はマイナス10%(12月14日時点)である。1990年以降のバブル崩壊後の最安値は2003年3月であるが、その後に年間騰落率がマイナスとなったのは初めてだ。
2006年もライブドアショックや世界同時株安など悪材料を経験したが、年間騰落率はプラスだった。4年間も上昇が続けば、当然ながら一服する時期は必要となる。市場では弱気な見方も多い。しかし、こうしたときは株価が割安に売り込まれる。新年は、来期の企業業績の増益基調や日本株の出遅れ感が見直されるだろう。
このような局面では、成長が見込まれ割安感が強い企業を選ぶべきだ。そして成長と割安の2つの観点で注目すべき投資手法が、高RIC&低PER投資だ。RICは、5ヵ月前にも取り上げた。どれだけ資本(この場合の資本は“営業純資本”で、営業に使う資産から営業に使う負債を引いたもの)を増やしたか。そして、増加資本に対して利益がどれだけ伸びたかを示す指標である。
この新規追加資本の効率は企業の成長を見るうえで重要である。ROEが高くても新規に資本を追加して得る利益が小さければ、安定しているが成長は難しいからだ。RICこそ企業成長を端的に見る指標なのである。
今回再びRICを取り上げたのは、足元で高RIC&低PER戦略の成績がよく、今後も優位性を期待できるためだ。