米国の利上げ前倒し観測は、米国株にとってはネガティブな材料となろうが、日本株にとってはポジティブに受け止められよう。米国経済の強さにFRBがお墨付きを与えたことになる上、円安・ドル高方向に圧力がかかるからだ。

 米国株と日本株の違いは、それだけにとどまらない。米国株の予想PER(株価収益率)は15倍台後半と過去のレンジ上限にある一方、日本株は13倍台半ばにとどまる。日本株の割安感は強い。

 まもなく本格化する1~3月期の決算発表も、寒波・大雪の影響で不透明な米国企業に対し、日本企業は業績回復トレンドが鮮明となろう。日本株がお付き合いする必要のない米国株安といえる。

 一方、日本経済については、4月分以降の景気指標の見方に、注意が必要になってくるだろう。消費税増税を前にした駆け込み消費の反動減が表れ、表面的な数字は投資判断の役に立たない可能性が高い。そこで、見るべき指標は前述したソフトデータとなる。

 春闘において賃上げ・ベースアップの動きが広がったことから、消費税増税によるマインドの悪化は、かなり和らげられるとみられる。日銀短観や景気ウオッチャー調査、消費動向調査などのソフトデータが比較的堅調であれば、今後、ハードデータが大きく悪化しても、過度に懸念する必要はないだろう。

(大和証券チーフストラテジスト 成瀬順也)