第一に、インド人はスケールを大きく捉え、かつスピーディにビジネスを展開することを好む傾向があるという。

「これまで私は、インド企業の経営層と日系企業のミーティングを数多くセッティングしてきました。2回目のミーティングで方向性を固められないと、その話はうまくいかない印象がありますね。毎年2ケタ成長を実感しているインド人にとって、意思決定に1年かける日本企業のやり方は理解できない。ここを理解しないと、多くの日本企業はインドでビジネスチャンスを逃すと思います。知らないうちに相手にストレスを与えてしまうのです」(徳山氏)

 また、インド人はインターナショナルな感覚も強いという。日本人にとっては、アジア人というよりも欧米人とビジネスする感覚に近いのだ。たとえば、法令や契約書の遵守が、他のアジア諸国よりしっかりしている。要所要所でビジネスライクに、契約書や書面ベースで物事を進めることが重要になる。

「インド人は頭が良く交渉も巧み。日本人は勝手に『騙された』と誤解するケースもあるようですが、インド人にとっては普通の交渉をしているだけなのです」(徳山氏)

はっきり言って難易度の高い市場
日本企業はマインドリセットが必要

 だからこそ日系企業は、他のアジア諸国に進出するときとは大きく異なるマインドリセットが必要になるという。

「はっきり言ってインド市場は、日系企業にとって難易度の高い市場。成功を収めるのは容易じゃない。でも欧米企業には、インドで大成功を収めている会社も多いのです。もう10年前から、インドは彼らにとって最重要国になっており、これから日系企業はこうしたグローバルプレーヤーとインドでガチンコ勝負することになるでしょう。どう闘うか、あるいはニッチでどこまで浸透するかが、まず勝負のポイントになります」(徳山氏)

 にもかかわらず、日系企業の多くはまだ「様子見」の段階から抜け出せていない。パナソニックでは副社長がインド駐在になったが、こうした企業はまだ少ないのが現実だ。