——ソニーとエネルギーマネジメントというと、とても遠いですよね。

 ソニーのなかでこの事業をやっていくメリットとデメリットを考えたとき、ブランド力や信用力ということではメリットだったと思いますが、シナジーを出せるかというと、ほとんどない。エネルギーの業界で、ソニーというと、「なぜソニーが?」と言う風になってしまうので、それはデメリットだったと思う。実際に、エネルギーの世界はソニーがいる世界とはまったく違いますから。

 結果的に外に出てみて分かったのは、ソニーとつながっていなかったことが、受け入れる側にとっても、すんなりと話を聞いてくれることにつながったと思います。

——しかし、個人的な話で恐縮ですが、ソニーを出るのはかなり勇気がいることだったのではと思います。

 私は起業家精神があって、チャレンジするところが好きで、ソニーに入りました。だから、もともと安定より冒険、です。新規事業に取り組むということでワクワクしていました。

 しかし、家族は当初、背中を押してはくれませんでしたね(笑)。でも、この技術の将来性や意義、社会を変えるビジネスなんだと言うことをしっかり説得しましたよ。

 まあ、ワクワクだけでは語り尽くせないんですが、自分のやりたいビジネスを望む環境でやろうということであれば、これくらいのリスクをとるのは当然でしょう、という感覚です。

——ビジネスの内容を伺っていると、日本より海外のエネルギー会社から声がかかりそうですね。

 ええ、実際に興味をもっているところはあるようです。しっかりと価値をつくって、ビジネスをつくっていきたい。実はあのスマートメーターの中身を、もっとしっかりと働かせて、情報を活用する技術を入れれば、本当の意味で“スマート化”すると思うんです。そうすれば、ものすごく社会にとって価値が生まれる。

 3年で軌道に乗せたいです。あの箱(スマートメーター)をもっと活かして価値を出す、これが私たちの目指すところですね。