キリンホールディングス(HD)の2013年12月期決算は、国内酒類事業で独り負け、海外事業は目標未達に終わった。三宅占二社長に挽回策を聞いた。

みやけ・せんじ/1948年生まれ、65歳、東京生まれ。70年慶應義塾大学経済学部卒業。同年麒麟麦酒(現キリンHD)入社。88年大阪支社営業第2部長。93年ハイネ ケン・ジャパン取締役副社長。97年麒麟麦酒マーケティング本部営業推進第1部長。2000年営業本部首都圏営業本部広域営業部長。02年取締役。04 年常務執行役員。07年キリンビール社長。10年キリンHD社長
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――国内酒類事業は、ビール、新ジャンルともに業界で唯一シェアを落としました。

 13年は新ブランドの「澄みきり」を発売した新ジャンルに注力しました。しかし、市場では一昨年の秋ごろから飲食店で樽生ビールが伸びてきているという現象があった。“飲み会の一軒目需要”が回復してくると、その後“家飲み需要”が膨らんでくる。これはメルシャンで飲食店需要が膨らんだ後に家庭用需要が増えた経験からもわかっていたのに、会社の都合でビールを後回しにした。その結果、伸びてきたビールの市場を他社に取られてしまった。新ジャンルでは、澄みきりは成功したが、「のどごし生」が振るわず、ビール、新ジャンルともにシェアを下げて独り負けしました。

 このあたりは去年の途中で気がついている反省点です。反省を生かして、今年はビールの「一番搾り」、新ジャンルの主力ブランドであるのどごし生に集中投資します。一番搾りは昨年末にリニューアルを行い、今年から広告を倍に増やしました。リニューアル後の缶の販売は販売は1~3月までの累積で前年同期比30数%伸びています。一番搾りブランドの復権を確実なものとするため、ギフト用の「プレミアム一番搾り」もこの中元期から投入します。