『週刊ダイヤモンド』

 百貨店、スーパー、そして、コンビニエンスストアさえもが売上高の前年比割れに苦しむ中、過去5年の平均成長率が20%以上と脅威の高成長を遂げているのが、通信販売こと“通販”です。

 その結果、2008年度の売上高は、百貨店やコンビニを超え、8兆円を超えました。なぜ、こんなに急成長しているのでしょうか。

 それは、「インターネット通販」が伸びているからです。企業で言えば、ヤフー、アマゾン、楽天の3大企業のネット通販が、市場を牽引しています。

 今夏、発表された売上高ランキングでは、アマゾンジャパンが1位に輝きました(その理由などは本特集のPART 3「ヤフーvs楽天vsアマゾン:勝ち残るのはどこか?」で詳しく報じています)。

 このランキングに示される通り、商品としては書籍のネット売り上げが大きく、しかも伸びているのですが、市場全体として最も活況なのは、ファッションです。

 読者の皆様は、「ZOZOTOWN」「mirabella」「Gilt」をご存知ですか?ご存知であれば、ネット・ファッション通。「ZOZOTOWN」は今、アパレル関係者が最も注目するネット上のファッション・モール。「Mirabella」はデザイナーズセレクトショップ。「Gilt」は高級ブランドの招待性ファミリーセールサイトです。

 それぞれ最先端のファッションがネット通販でき、大盛況。その魅力を生み出す舞台裏をレポートしています。そして「Gilt」は通常、会員の招待がないとログインできないのですが、小誌読者用の特別招待アドレスを今週号に掲載しています。

 一方、家電や旅行のネット通販が急拡大しているのは、男性の利用率が年々上昇しているからです。ヨドバシカメラやビックカメラなど駅前立地が多く、地方や郊外に店舗をもたない家電量販店が、低価格・高サービスを売りに、ネット通販を伸ばしています。

 液晶テレビを、より安く、安全に購入するには、どうすればよいか。「価格コム」の使い方を詳述しています。

 そして旅行サイトで注目なのが、「トクー!トラベル」。ホテルや旅館は、空室よりは、多少値下げしてでも施設を稼動させたい──そのニーズを掴み、宿泊当日が近づくにつれて、値が下がるビジネスモデルを確立して、ユーザーにも大好評で売り上げをアップさせています。

 1名1泊で銀座の有名ビジネスホテルが5000円、築地の有名シティホテルが6500円(2名使用の1名分)という超破格で泊まれる案件がサイトに出ています。

 特集の後半では、初心者のためのネット購入法、ヤフオクや楽オクなどネットオークションの利用術、話題の個人ビジネスであるドロップシッピングの光と影などもレポートしています。どうぞ手にとってご一読ください。

(『週刊ダイヤモンド』副編集長 大坪亮)