議論は研究会の「外野」でも活発で、大和証券グループ本社の日比野隆司社長は5月14日、「取引時間拡大のニーズは極めて限定的。夜間でもイブニング(夕方)でも、結論としては反対」と明言した。これは、最大手の野村ホールディングスも共通した認識だ。

面従腹背の部下

 一方でネット証券の意見は分かれる。松井証券が推進派の最右翼だが、ネット最大手のSBI証券はニーズはないとの見方を示す。

 とはいえ、東証の5時間は海外と比べるとあまりに短い。斉藤CEOを突き動かしてきたのは、世界的な取引所間競争の激化に対する強い危機感だ。

 だが、斉藤CEOの手足となるべき東証のスタッフは必ずしも、延長に前向きではないという。東証は2000年にも夜間取引実施を検討したが、ニーズが見込めないと見送っているため、東証スタッフの間では「何をいまさら」といった空気が漂う。それでも、斉藤CEOの意向をおもんぱかって「内心反対でも、面従腹背で推進を唱える幹部もいる」(大手証券幹部)。

 業界からは逆風、足元からも隙間風が入り込む中、斉藤CEOは、まとまりそうもない研究会の報告に基づき、夏にも結論を導き出すことになる。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)