――マンCの選手データはどんなものだったのですか。

 言えないことばかりですが、選手の属性、特徴などです。あのレベルを日本に持ち込むと、カルチャーショックみたいなのもあるはずなので、まず消化不良を起こすでしょうね。人間は、情報が多すぎると判断できない生き物です。まずはフィルターを通さないと。

 でもすごかったのは、データだけではありませんよ。エリート選手の育成システムは、百年以上の歴史を持つビッグクラブにしかできないレベルでしたから。他のクラブに所属する選手の子どもも、マンCの育成組織に通わせているそうです。

 あと、一番印象に残っているのが新しくできるアカデミートレーニングセンターでした。これは素晴らしい。育成の全ての年代が入り、トップチームも使うこともあります。

 正直、まだパートナーシップの概要は決まっていないことも多いですが、うちのユースがあちらで合宿するとか、そういう夢はあります。マンCの同じカテゴリーと練習試合とかできれば、成長のきっかけになります。CFGはグループ内に4チームを持っていますが、そうしたノウハウの共有が将来形としてあるでしょう。

――CFGの他のクラブと同じように、資本関係を持つことは大事だったのですか。マンCの選手が日本に来ることはありますか。

 出資を受け入れたといっても比率は20%より低いですしね。私は日産でもそういうアライアンス(提携)を経験しているので、融合の仕方は経験のない方より、ノウハウはあると思います。

 集客を増やすのはいろんなやり方があると思います。その中で、確かに、外国の選手を連れてくるという方法ありますよね。有名選手を取ってくるとか。ですが、その手法にはギャンブル的な要素は残ります。

 ですが、我々が集客を増やしていくためには、そうしたカンフル剤ではなく、ロジカルに基盤を作っていくやり方をやらないといけないと思います。

 今はまだ、暗中模索の状態ではありますが、いろんなデータをうまく活用することによって、売り上げを増やしていくようなことは、地道にやっていきたいと思います。

 話題性も含め、両方をうまくやっていくことが大事ですね。

――出資の額はいくらだったのですか。

 額は公表できません。間違いなく言えるのは、CFGも株主として問題意識を持っていて、それが共有できているということです。我々の収益構造については、彼らなりに提言をしてくれると思いますし、そういったところが提携の背景の一つです。

 私も改革に対して待ちの姿勢ではありませんが、彼らの大胆な発想、切り口を期待しています。CFGからもマリノスに非常勤で役員が入る可能性もあります。

――CFG側がマリノスと提携するロジックは何でしょうか。

 もちろん想像ですが、彼らの世界戦略の中で東アジアは重要であり、拠点を探していたのは事実だと思います。なぜマリノスだったのかは、これも私の意見になりますが、我々の持つ伝統やステータスを評価してくれたのではないでしょうか。私もマリノスの改革の中身をプレゼンしましたし、その時はすごく手厚く対応してくれました。真剣度を感じましたね。

 我々としては、こうしたパートナーシップを踏まえながら、何十年後にもクラブとして、持続的に成長していくのが大事です。

 このビジネスを勘にだけ頼るのではなく、ロジカルにやっていきたいですね。それも、経営判断としてただ安全サイドに振るのではなく、見える化することによってリスクを認識しながら、論理的な経営を続けていきたいです。

※次回(6月19日(木)公開予定)は岡野雅夫・大阪サッカークラブ(セレッソ大阪)社長のインタビューをお送りします。