「卒業までに内定が取れなかった」「希望の会社から内定がもらえなかった」

 今、就職活動真っ只中の方からすれば、そんな縁起でもないことを言うな、と思われることでしょう。しかし、実際にどの企業からも内定をもらえないとなると、来年の3月までに重大な決断を迫られることになります。なぜなら、就職をめぐって2つの選択肢が現れるからです。すなわち、①大学を卒業して就職活動を続けるか(就職浪人)、あるいは②大学を留年して就職活動を続けるか(就職留年)、です。

 ネット上や実際の学生の間ではこの問題をめぐって、様々な意見が交わされています。そのなかで都市伝説的に伝わっているのが、既卒で就職活動を続ける「就職浪人」よりも、わざと単位を落として「就職留年」する方が有利、というものです。

 果たして、「就職留年」の方がリベンジ就活に有利というのは、本当なのでしょうか? 今回は、この都市伝説の真偽に迫りたいと思います。

7割が“就職浪人”にネガティブ
理由は「留年の方が有利だから」

OKWave総合研究所が「質問・疑問 に答えるQ&AサイトOKWave」上の「就職」カテゴリに寄せられた質問と回答を分析。同カテゴリの中から「就職浪人」、「就職」かつ「留年」にまつわるものを抽出したところ、回答は「就職浪人」41件、「就職」かつ「留年」では54件得られました。

 まず、「就職浪人」にまつわる回答を分析していくと、「就職浪人」に対してネガティブなイメージを抱く人は71%に上っていることがわかりました。当然といえば、当然の結果です。次に、ネガティブな理由を分析していくと、興味深い結果が出ました。なんと、最も多かったのが「留年の方が有利」というもので、41%も占めていたからです。

 また、「就職・留年」の記述がある回答を分析した際も同じ傾向が見られました。「留年」に対する意見を尋ねたところ、ポジティブなイメージを抱く人が61%で、ネガティブと回答したのは28%だったのです。「就職留年」と「就職浪人」との間には大きな差があることがわかります。