哲人 彼らも希望しない部署に異動したのだから、仕事内容に満足しているわけではない。しかし、異動後にもやる気を持って働く人とそうでない人が居る。アドラーはこれを「目的論」で説明します。

課長 目的論? どういうことですか?

哲人 あなたはやる気のなさを、仕事内容という「原因」のせいにした。しかしアドラーは物事を原因ではなく目的で説明します。

 あなたは、「仕事の内容が不満だから、やる気が出ない」のではありません。「やる気を出したくないから、仕事内容への不満を列挙」しているのです。

課長 はっ?

哲人 つまり、あなたには「やる気を出さない」という目的が先にある。そしてその目的を達成する手段として「仕事の内容に対する不満」を挙げている。これが目的論です。

課長 先生、私をばかにしているのですか?なぜ「やる気を出さない」ことを目的にする必要があるのですか? そんなわけはない!

哲人 では、こう考えましょう。新しい部署で、一生懸命に仕事に打ち込み、もし結果が出なかったらどう感じますか?

課長 そりゃあ、つらいですよ。必死に働いて結果が出なかったら、自分の限界が分かってしまいますからね。

哲人 自分の限界を知りたくない。それがあなたの本当の目的です。だからやる気を出さない理由を探しているのです。

課長 なんと。いや、納得できません。先生、その「目的論」、反論させていただきますよ。