戦後、造成されたような住宅地に建つA子さんの自宅は、亡き夫である祖父が購入した昔ながらの大きな一軒家だった。

 現在は、祖母のA子さんの持ち家となっているため、家賃やローンを支払う必要がない。とはいえ、一家の生活費は、A子さんの年金だけを頼りにしていた。

 Bさんが家に入ると、家じゅう散らかっていて、ほとんど掃除が行われていなかったことから、介護だけではなく、部屋の清掃も主な仕事になったという。

 一家は、近所付き合いもまったくない様子で、外の世界とはA子さんに対する介護というつながりがあるだけだった。おそらく介護という入り口があったからこそ、「掃除もやってほしい」という家事を依頼することができたのだろう。

年金は息子のギャンブル代や孫の小遣いに
貯金は底をつきライフラインもストップ

 息子も元々は、会社員として仕事をしていた。しかし、数年前のリーマンショックの頃に会社をリストラされた。以来、仕事に就くことができずにいる。

 A子さんは、年金が入ると、息子にお小遣いを渡していた。しかし、息子は、そのお金をしょっちゅうパチンコなどのギャンブルで使っていたようだという。

 そのため、家には貯金がほぼ底をついていて、ライフラインなどの料金を支払えず、電話などが時々止まっていた。

 また、社会保険料についても、何ヵ月か未納があるというような話を聞いた。

 一方、A子さんの義理の娘である息子の嫁は、仕事や家事をする意欲が弱く、家からほとんど出ることがなかった。