彼の夢はいつの間にか
「みんなの夢」になっている

 誰もが分かる名声がほしければ東大に残ればよかった。50歳になる頃には教授になっていただろう。お金が欲しければマッキンゼーに残ればよかった。製薬会社向けのアドバイジングで年収数千万円になっただろう。望めば偉くなることもお金持ちになることもできる稀有で高い能力を持つ武藤が選んだのは、全く別なものだった。それは「日本社会を変える」というより大きな夢であり、具体的には人生の最後を幸せに過ごせる社会だった。それは、6歳の時、野口英世に憧れて医師を志した武藤にとって、実は夢への近道に見えている。

 園田は言う。「武藤さんの夢は、いつの間にか、私たちみんなの夢になっている」。そこに見えているのは、誰にでも分かりやすい幸せだ。「誰もが人生の最後まで希望を持てる社会」「お年寄りが大事にされ、笑顔で暮らせる社会」。高齢化先進国、日本の行方を世界が見守る。武藤はその最も先端を走る。その舞台は最新鋭の実験機器を備えた研究室ではない。彼と言葉を交わすことで、笑顔を取り戻す高齢者とその家族の家を訪ねながら、文字通り走っている。


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