こんにちは。
このコラムでは、日本企業の経営やビジネスの最前線で働いている方々に、昨今のITで起きていることを、いわゆる「Buzz Word(はやり言葉)」としてではなくビジネスの言葉で解説していきます。
真の意味で、経営にとってどんな価値があるのかを、ITの専門家としての視点ではなく、経営やビジネスの現場で皆さんをご支援している経験から「翻訳」をしていきたいと考えています。そのことを通じ、皆さんに、ITを活用して、日本企業の再生をしていただけたら、また、少しでもそれに対し貢献ができたらうれしく思います。
「日本企業の人件費は高い」は幻想
まずは、グローバルと日本の「経営にとってのITの位置付け」の違いから、お話ししてみたいと思います。
ご存じの方も多いと思いますが、日本企業は、世界で最もEBITDA(または営業利益率)の低い国だと言われています。ある統計によると、日本(10%)、アジア(17%)、北米(18%)、欧米(18%)という数字も報告されています。
加えて、販管費の売り上げに占める割合は世界最高であり、アジアとの比較に至っては、倍近くとなっています。このことは、当然ですが、日本の利益率に対しての圧迫の一因となっていることは、ご理解戴けると思います。同じ報告によると、日本(17%)、アジア(9%)、北米(12%)、欧州(13%)となっています。
一方、IT投資の売り上げに占める割合は、日本(1%)、アジア(3%)、北米(4.3%)、欧州(3%)と日本が世界で最も低く、アジアと欧州とは約3倍、米国とは約4倍の開きがあります(日本ユーザー協会)。
経営者の方々とお話をすると、「日本は人件費が高いから恒常的に販管費は高くなるんだよ」と、わかってない子どもにものを「諭す」感じで言われます。
しかし実は、以下の図をご覧になっておわかりいただけるように、日本は2003年時点では、アジアを除くと、世界で最も販管費比率が低い国だったことがわかります。これは、結構ショッキングな数字だと思います。