グーグルが、シティーガイドのアプリを開発する「ジェットパック(Jetpac)社」を買収した。
シティーガイドと言えば、旅行者に役立つような観光スポットや街歩き案内のようなものと想像するのが普通だ。だが、ジェットパックはまったく異なるしくみで作られたシティーガイドである。
ジェットパックの中心にあるのは、画像認識とニューラルネットワークだ。ソーシャル・トラベルガイドと謳うジェットパックは、人々がインスタグラムで上げたパブリックな写真を画像認識技術で分析する。その中から、口紅や青い空、ヒップスター(おしゃれな都会の若者)などを見分け、ハッピーな場所であるとか、景色のいい場所であるとか、ナウいバーなどをGPSのロケーションデータと共に特定、地図上に表示するのだ。
したがって、これまでの旅行ガイドのように著者が足を棒にして集めた情報を元にしたものではなく、みんながソーシャルネットワークに次々と上げている素材を利用して、自動的にシティーガイドがほぼリアルタイムで作られるしくみがジェットパックと言える。
自動化できなければ
サービスが続かないと判断?
この「人手を使わず、自動的」というあたりが、いかにもグーグルが好みそうな特徴だろう。
その証拠に、グーグルは「フロマー」というよく知られた旅行ガイド出版社を2012年に買収したのだが、翌年にはその創設者に売却している。フロマーは人気のあるガイドブックシリーズだが、基本的には人手をかけて作られたもの。グーグルはマニュアルなコンテンツ作りは使えないと判断したのだろう。