会社と上司の悪口を
実名かつ大声で話していないか

 こんにちは、キャリアプロデューサーの櫻井樹吏です。

 先日、居酒屋で友人を待つために1人で座っていた時の話です。近くの席で飲んでいた方々から、とても大きな声でこんな会話が聞こえてきました。

「A部長は全然分かってないよな。現場を動かしているのは俺達なのに、いつも良くわからない指示を出してくる」

「上から“しっかりやれ”っていう指示を出すだけなら誰でもできるだろ」

「しかも部長自身はサボってないか?」

「現場の身にもなってもらいたいよ。自分のミスは棚に上げるくせに、部下の事についてはとことん詰めてくるよな」

 居酒屋では特に珍しい会話とも思えません。

 その昔、私も居酒屋でよく愚痴っていました(笑)。もちろん聞き耳を立てるつもりはありませんでしたが、多分にお酒が入っているのか、音量が凄まじく嫌でも聞こえてきます。話をしているのは20代後半くらいのサラリーマン2人です。そして、この会話はこの後、さらにエスカレートしていきます。

「このままじゃ、○○(会社名)も落ちていくだけだよな。Aを部長にしているくらいだし」

「しかもいまどき、こんな営業の仕方しかできないなら不効率極まりないな」

「だいたい個人情報管理がなってないよ。ロッカーの鍵閉めなんていつも忘れてるだろ?」

 そしてこの後、業務内容から上司の愚痴と話は取り留めもなく進んでいきました。

 居酒屋には他のお客さんが少ない時間帯とはいえ、個室でもないただのテーブル席です。通常の会話であれば、よほど耳を澄まさないと聞こえない距離でしたが、今回のケースは聞きたくなくても耳に入ってくるほどの声量でした。

 ここまでの段階で、この二人組が漏らしてしまった情報は以下の通りです。

・株式会社○○に勤める営業部の男性社員2名(雇用形態は不明)。
・A部長(男性)の元で働いており業務の××の部分についてとても不満を持っている。
・当の営業部は個人情報管理についてやや杜撰さが目立つ。
・上司はサボり気味(あくまで語られていた内容ですが)。

 私はその会社名を初めて耳にしましたが、ここまでの情報だけでも十分脅威です。もしも、インターネットでその会社のHPがあるとしたら、掲載されている代表電話もしくは営業部の電話番号を調べA部長宛に営業の電話をかける事も可能です。