公私セパレートさんの
モチベーションを高めるには

 今回は、皆さんの部下の中に急速に増えてきた派遣社員のモチベーションについてお話ししていきます。

 派遣社員の中にも、正社員へのステップとして派遣を選んだ堅実キャリアさん、夢実現のために派遣になった天職ドリームさん、大企業に勤めてみたくて派遣を希望した結婚ロマンスさんと、さまざまなタイプがいます。

 ただ、事務系の派遣社員の多数派を占めているのは、自分の都合に合わせて仕事が選べるというメリットを最大限に生かしている「公私セパレートさん」でしょう。もと正社員だったという20代後半以上の人は概ねそうです。

 公私セパレートさんは、仕事そのものにやりがいを見いだすというより、「自分の趣味に時間を使いたい」「会社に縛られたくない」「留学資金を貯めたい」と、自分の都合に合わせて仕事を選べる点に魅力を感じて派遣社員を選択しています。

 高いスキルをもっているものの、仕事に軸足を置いていないため、上司にとってはいまひとつモチベーションのスイッチがわかりにくい存在といえるでしょう。

 公私セパレートさんたちが口々に言うには、
「私をどう扱っていいのかわからず、必要最低限の声しかかけてこない」
「どうせすぐいなくなると思って、名前も覚えてくれず、ハケンさんと呼ばれている」
「ハケンはすぐ辞められていいね、と明らかに見下した発言をする」

 と、派遣社員のやる気を引き出すどころか、コミュニケーションそのものがきちんとできていない、困った上司も少なくありません。あなたは大丈夫でしょうか?