サムスン、9年ぶりの減収に転落
王者を脅かす「第二のサムスン」たち

 サムスンの業績に急ブレーキがかかった。2014年第2四半期の決算が前年同期比約25%ダウン、営業利益も約9%の減益である。主力のスマホの販売不振が主要因だという。9年ぶりの減収に陥ったサムスンに、いったい何が起きているのか?

 実は今、彼らを脅かす「第二のサムスン」とも言うべきフォロアーが、続々と現れている。たとえば「中国のジョブズ」 と呼ばれる、雷軍CEOが率いる小米集団をご存知だろうか。ジョブスばりの新製品発表会には、多くの小米フリークが参加する。ネットコミュニティを活用したブランドの打ち出し方がユニークで、通信キャリア経由ではなく直販に近い形式で販売を行う。そのマーケティングのやり口の斬新さから、「中国のアップル」 とも呼ばれている。

 彼らはデザイン性の高いハイスペックな端末を、年間1機種だけ発表する。アップルが始めた削り出しのボディも、早々に採用した。ブランドイメージはサムスンよりもアップルに近いが、価格はサムスンよりもかなり安く設定することで、サムスンにとって脅威となっている。 

 小米集団以外にも、サムスンを脅かす存在はいる。600社を超えたと言われている中国の地場のスマホメーカーだ。先日、広州に拠点を構える地場のスマホメーカーの総経理と話す機会があった。

「中国でも、スマホは使って2年や3年だよ。故障したら買い替えるよ。これからは、使い捨てで割り切れるコスト感のスマホじゃないと売れないよ」

 驚いたことに、スマホを売り切り感覚で製造しているのだ。この割り切りこそ、日本人が苦手とする「適正品質」 だと言ってしまえばそれまでだが、これは単なるターゲット品質や日本人の気質の問題に留まらない。製造業の根幹にかかわる、パラダイムの変化を示している。

 そして、こう話を続けた。

「スマホが売れなくなったら、別のものつくるよ」