夜、眠れないほど気になるアイディアを温め続ける
ジョナと親友のアリエールとジェイソンは起業家志望で、頻繁に食事をともにし、グラスを片手に世間話をしたり、ビジネスのアイディアを出し合ったりする仲だった。
あるとき3人は、靴下を乾燥機にかけると片方が行方不明になってしまうことについて冗談を飛ばしていた――これは、誰もが経験する不思議な現象だ。その時、一人が「いっそのこと、最初から左右でちがう靴下を組み合わせて売ったらどうかな?」と冗談を飛ばした。
それから話題は変わり、食事とおしゃべりが続いた。夜も更け、その日もまたビジネスに結びつきそうな成果はなかった。でも、ジョナはずっと、靴下のことを考えていた。それから何日か、眠れない夜が続いた。ベッドに入っても、相棒を探すひとりぼっちの靴下のことが頭から離れなかった。
このときのジョナは、一呼吸おいている状態にあった。時間をかけ、直感やひらめき、好奇心など、心の声に耳を傾けていた。ひとりぼっちの靴下について何かが心に引っかかり、頭から離れない。ジョナは何度も寝返りを打った。
そうこうするうちに、いくつかアイディアが浮かんできた。
そして、ひらめいた。急に女の子の姿が頭に浮かんだのだ。この女の子はのちに「リトルミスマッチ」という名前のキャラクターに成長し、ティーンエージャーの女の子たちが、自分だけの個性的なファッションを楽しめるように背中を押すことになる。