「理に適っていること」にひとひねり加える

 2004年、ジョナは友人たちとリトルミスマッチ社を立ち上げた。

 最初の商品は女の子向けの靴下で、左右で柄のちがう靴下を3つ1セットで売り出した。キャッチフレーズは「どれもちぐはぐ、だけどそこがチャーミング」。リトルミスマッチ社は「創造性と個性をコンセプトに、自己表現する人々を応援する、楽しいブランドをつくろう」という発想から始まり、現在では、服やアクセサリー、パジャマ、寝具、家具、書籍まで手がけるようになっている。

 ポイントは、ジョナが友人同士の何気ない会話のあと「一呼吸」おいた点にある。立ち止まって心の声に耳を傾けたのだ。ちぐはぐな靴下をはいて自分らしさを表現できるようになったら、女の子たちはどう反応するだろう? 果たして喜んでくれるのか? ジョナは考え続けた。

 ジョナはじっくり時間をかけてそれを温めた。左右同じ柄の靴下をはくのは確かに理に適っているし、異論を差しはさむ余地はなさそうだ。だが、そこにひねりを加えたら、飛び抜けたアイディアが誕生すると考えた人がほかにいただろうか? これは、一呼吸おくことで、斬新な発想が得られた最高の例だ。

 今回で本連載は終了です。ご愛読、ありがとうございました。


新刊書籍のご案内

デヴィッド・スタート 著/O・C・タナー・インスティテュート 著/須川綾子 訳  定価:本体1,600円+税

『500万人の成功体験からわかった 「いい仕事」をする人の45の極意』

病院の清掃係から広告営業マン、保険会社のコールセンター係、そして誰もが知る超有名起業家まで――。世界最大規模のデータベースから明らかになっ た、あらゆる職業に共通する「いい仕事」の極意とは? 働くすべての人に贈る、「誰にでもできるつまらない仕事」を「自分にしかできない素晴らしい仕事」 に変える45の方法

ご購入はこちら! [Amazon.co.jp] [紀伊國屋BookWeb]  [楽天ブックス]