――ドライマウス患者は増えていますか?

 私は増えているのだろうと考えています。最近、ペットボトルを持ち歩く人をよく見かけませんか?また、清涼飲料水の容器が10年前とくらべても大きくなっていませんか?私はよく「人類は潤いを失ったのか」と問いかけることが多いのですが、こうした変化から分かるように、現代は乾燥症状の悪化傾向にあります。

 実際の患者数は、重度な患者から軽度な患者まで含めると約800万人と考えられています。しかし欧米には、人口の25%がドライマウスを介した何らかの症状、不快感を持っているという論文もあり、日本の人口に換算すれば約3000万人の患者がいることになります。

 また、ドライマウスを気にする人が増えたのは、日本社会が欧米化していることも一因でしょう。欧米ではキスやハグをする習慣があることから、昔からドライマウスに対する認識が高い傾向があります。一方で日本では、一昔前まで人とコミュニケーションをとる際の口臭への配慮が欠落していました。しかし、国際社会へ進出するにしたがって、欧米で仕事をする日本人が増え、現地で欧米の人たちが歯や口臭に気をつける姿を見て、配慮するようになってきたのでしょう。

 食事を摂る、歌を歌う、話すなどの様々な機能があります。つまり消化器、感覚器という、生活の質に直接影響する器官です。また口は、表情を作る役割も持っています。コミュニケーションには、バーバルコミュニケーションとノンバーバルコミュニケーションがありますが、言語によるコミュニケーションはほんの数%に過ぎず、表情をつくる口はとても重要です。

 特に、口や歯の美しさを維持するために唾液はとても重要な役割を果たしています。唾液が少なければ自浄作用が低下して歯はどんどん着色します。ビジネスマンは口元が命。一連の口の機能を維持するためにも、唾液を侮ってはいけません。

老化だと諦めることなかれ!
ドライマウスを引き起こす「3つの原因」

――なぜドライマウスになるのでしょうか? また、未然に防ぐ方法はありますか?

 多くのドライマウスの患者さんを診てきてわかったのは、原因は1つではないということです。原因が複合的なので、それを1つ1つ取り除くことを治療のガイドラインとして考えています。