産業革新機構傘下で再建中の大手半導体メーカー、ルネサスエレクトロニクス。会長兼CEOとして昨年6月に就任した作田久男オムロン前会長が、改革の状況について本誌などの共同インタビューに応じた。(聞き手/週刊ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
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──会長として就任して1年3カ月経過しました。達成したことと積み残したことは。
ルネサスに来たときの「この会社倒産するのでは」という瀬戸際の状況はなんとか脱しましたが、この先どう生き残り、成長していくかのための構造改革は、どれもこれもまだ中途半端ですね。人事制度の改革や、不採算製品からの撤退も含めてもっと思い切ったことをやりたかったが、相手のあることなのでどこかで妥協しなければならない。タイムスケジュールがもともと決めたものよりも遅れているし、行うことのボリューム的にも多少妥協せざるをえなかった。この1年間を100点満点で採点するとすると、ぎりぎり合格の60点といったところかな。もし50点40点だったらとっくに辞表を出してます。ここに座ってることもなかったでしょう。
──10月から固定給のカットを行うとのことですが、その目的は。
給料を減らすのが目的ではない。ルネサスは海外の競争相手と比較すると固定部分のサラリーが多すぎるため、それを減らしてボーナスの部分を増やし、人件費を変動費化しようとしているのは事実です。業績が悪くなったら給料が減る、世の中はそういうものです。