事務職と一言で言ってもその内訳は、一般事務、営業事務、総務、経理、人事と様々です。これらは役割が違っても、必ず人と接する事が求められる仕事です。一見、計算ばかりしていそうなイメージの経理でも、用途不明な領収書の確認などは社内中を駆け巡らなくてはいけません。

 営業職に比べると外出をしたり、初対面の方に会ったりという機会は少ないでしょう。ですが外出をしないということは勤務時間をほぼ社内で過ごすということです。先ほどの経理のように、仕事の内容によっては社内のあらゆる部署との連携を取っていかなければなりません。

 中でも同じ部署の方々との人間関係が非常に重要だと言えます。例えば職場には、「お局さま」と時に恐れられる、長年同じ部署で仕事をされているベテラン社員もいれば、働く上での価値観が異なる方もいるでしょう。何となく相性が合わなかったり、苦手だと思ってしまったりしても人間関係を構築していく事が重要になります。

 もちろん、周囲の方と上手くいかない事が続くと、最終的には自分の居場所が無くなってしまいます。そもそも正社員で働いている場合には部署の異動や転勤がないとも言えませんし、派遣社員やアルバイトなど、刻々と働く方が変化していく可能性もあります。この状況でコミュニケーションが重要ではない、と果たして言えるでしょうか。

 技術職(IT職)についても同じ事が言えます。プログラミング言語などを操り、システム構築をしていくプログラマーやシステムそのものを設計・構築していくシステムエンジニアなどの職は、一見パソコンに向かいひたすらコツコツと作業をしている風に見えます。

 しかし、独自のシステムを作る時にもチームでの話し合いは必要になってきますし、顧客企業のシステムを作る際には、それこそ顧客の要望を全て把握していかないといけません。顧客の希望を満たさないシステムを構築しても使っていただけないからです。それでも、全ての希望を満たすシステムを作り上げる事が困難な時もあるでしょう。そうした場合、それを顧客に説明するという場面も考えられます。もちろん基本的な交渉は営業が進めていくとしても、技術面の詳細な説明は技術職の同行が必要です。つまり技術職でもコミュニケーションが重要でないとは、とてもいえないのです。

 そして、製造に至ってはいかがでしょうか。確かにラインの作業をしている場合、コミュニケーションをとりながら業務をするのはあまり想像できないかもしれません。しかし、正社員で製造の世界に働くのであれば、ただ単に流れ作業をしていればいいという訳ではありません。そうした仕事は、アルバイトの方や派遣社員の方が担当しています。

 機械を使うにしても、「いつまでに・どの機械で・誰が・何を・いくつ・どうやって」使っていくのかは事前の打ち合わせが重要です。作業は機械が行う場合でも、動かすのは人間です。トラブルを起こさない為に必須となる打ち合わせは、やはり人間対人間のコミュニケーションと言えます。