麻生太郎首相の支持率が一段と低下、自民党内の批判も強まっており、早期総選挙の可能性も出てきた。選挙があれば民主党中心の政権誕生はほぼ間違いなさそうな状況だ。その場合の株式市場への影響について考えてみる。

政策停滞を嫌う外国人

 近年、政治が株式市場に与える影響は強まっているが、特に大きく影響した例として、2005年の衆議院選挙と07年の参議院選挙が挙げられる。
 
 前者では、改革志向の小泉自民党大勝を好感して株価が急騰したのに対し、後者では、小沢民主党の勝利による改革後退や衆参ねじれ現象による政策停滞に対する懸念から急落した。

 この株式市場の反応を演出したのが外国人だ。前者では日本株を大きく買い越し、逆に後者では売り越した。特に日本株投資の経験が浅い欧州の投資家が、「日本が変わる(変わらない)」のイメージで売買したといわれる。

 とすれば、足元で続く外国人売りも、小泉純一郎首相退陣後の自民党政権、特に麻生政権の低迷に対する失望感で説明することができる。