虎ノ門の大衆酒場「升本」。住所を頼りに向かった先に、ドーンと現れた大きなビルは「ここは本当に大衆酒場なの?」とたじろぐほどの立派な外観です。
ウィ~~ンと入口の自動ドアを開けて店内に入ると、教室のように広いフロア内を元気よく飛び回っているおねえさんのひとりが、「いらっしゃいませ。おひとりさま? こちらへどうぞ」と、ずらりと並ぶテーブル席のひとつに案内してくれます。
「お飲み物は、何にいたしましょう?」とおねえさん。
「お酒の温かいのをください」
特に銘柄を指定しないで日本酒を注文すると、オリジナルブランドの「虎ノ門」(280円)が出されるようです。
厨房との間にある壁のところに、ずらりと並んだ品々は、いずれも呑ん兵衛好みのする居酒屋メニューばかり。値段も250円からはじまって、高くても650円ほど。その中から、山陰地方特産のトビウオの竹輪、「あごちくわ」(380円)を注文します。こういう練り物をチビチビと齧りながら、いただく燗酒がまたうまいんですよねぇ。
あごちくわで1杯目の「虎ノ門」を飲み終え、2杯目として、もうひとつのオリジナルブランド酒「霞ヶ関」(350円)をもらい、料理のほうは、先ほどからじっくりとメニューを観察していて、もっとも心を引かれた、かき鍋(600円)を注文します。ひとり用の鍋物があるというのも、正しい大衆酒場の証(あかし)ですよね!