要するに、女性向けの面白そうなコラムを提供するときに、一番馴染みが良く、読者に受け入れられやすいのが「女子」。それがそのメディアの主張だった。堅苦しくない軽さがある、ということだった。

 少なからず納得できるところもあったので、その方針に従って記事制作を進めたが、ツラいことは多々あった。当時、コラムの中で「女子」を使うと激しい批判コメントがついた。

 女性向けに書いているのに、男性も読むポータルサイトに配信されてしまうというネット特有の「誤配問題」にも理由はあると思うのだが、「女子」に対する男性からの拒否反応はすごかった。「うざい」「キモイ」「スイーツ(笑)」「バカ女」「幼稚」などなどの言葉を浴び続けた。もちろん、同性からの批判もあった。

 少し前までは自分自身、「女子」という言葉に抵抗があったため、拒否感・嫌悪感を示す人の気持ちもわかる。しかし、編集部の意向もわかる。「女子」バッシングに頭を悩ませると気持ちが疲れてしまって仕事にならないので、この問題は自分の中で「棚上げ」することにしたのだ。

この機に徹底的に論じよう
筆者も悩まされ続けた「女子」言葉

 そうしているうちに、しばらくすると、言葉の使い方1つにいちいち腹を立てたり、自分とは違う言葉の使い方をする人をそれだけでバカにしたりすることが「くだらない」と思うようになった。

 自己防衛の末の結論と言われればそれまでだが、たとえば、言葉の乱れとして嫌われた「ら抜き言葉」も、今やテレビニュースのテロップで使われるほど世の中に氾濫している。言葉の使われ方は変わるもので、正しい言葉遣いにこだわりがある人でも、間違って慣用句を覚えていたりすることはあるものだ。

 最近では「私、『女子』という言葉は嫌いです。何も考えずに言葉を使うあなたとは違うんです」という態度の人を見ると、「それは立派なご見識をお持ちで結構なことですね」と嫌みの1つも言いたくなる。