「ビジネスの現場で本気で使える」と評判の 『読むだけであなたの仕事が変わる「強い文章力」養成講座』。今回紹介するのは、文章の顔にあたる「タイトル」「見出し」「キャッチコピー」の部分。どんなに中身がよくても、読んでもらえないことには話にならない。「心をつかむ1行」で、相手を本気にさせるには?
「相手を本気にさせる1行」を書くための基本とは?
心をグッとつかむ「タイトル」「見出し」「キャッチコピー」を書く時には、基本となる原則があるという。それが以下の3ヵ条だ。
①パンチのある強い言葉を使う。
②相手の心にむりやりでも「興味」をつくりだす
③思わず口にしてしまうリズムや語呂を意識する
これだけを意識するだけでも、あなたの1行は大きく変わる。順番に見ていこう。
①パンチのある強い言葉を使う
言葉には「強い」「弱い」がある。強い言葉とは、「印象に残る」「心に刺さる」「行動したくなる」ような言葉。弱い言葉とは「手垢がついた」「ありきたりの」「心が動かない」言葉だ。具体的にこの言葉を使えば強くなるというような魔法の言葉は存在しない。ただ、以下の3原則に注意すれば、言葉は自然と強くなっていくという。
⑴抽象的な常套句を避ける
⑵言葉の組み合わせを考える
⑶圧縮して言いきる
抽象的な常套句とは、たとえば飲食店の紹介で使う言葉でいうと「こだわりの製法」「厳選した素材」「極上の空間」「真心をこめたおもてなし」といったようなものである。これらは「ほとんど何も言ってないのと同じだ」と著者は言うのだ。
詳しくは本書に譲るが、それらの言葉をより具体的にするだけでも、強い一行に変化するとのこと。「⑵言葉の組み合わせで化学反応を起こさせる方法」「⑶圧縮して言い切る方法」などについても、本書に詳しく解説されているので、ぜひ実際に確かめてみてほしい。
②相手の心にむりやりでも「興味」をつくりだす
人間は興味のない文章を読もうとしないものだ。読み手に「いったい何が書かれているんだろう?」と思わせることができたら、相手は中身を読もうとしてくれる。だからこそ、最初の1行で、無理やりにでも興味を抱かせる必要があるのだ。
相手に興味を抱かせる方法はいくつもあるが、本書では3つのポイントをあげている。
⑴「そういわれてみたらなぜ?」という疑問を投げかける
⑵重要な情報を隠す
⑶常識とは逆のことを言う
⑴や⑶は、書籍のタイトルでよく使われる手法だ。
⑴を使った書籍のタイトル
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』
『なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?』
『なぜグリーン車にはハゲが多いのか』
⑶を使った書籍のタイトル
『英語は、絶対勉強するな!』
『医者に殺されない47の心得』
『食べ放題ダイエット』
いずれもタイトルに興味をひかれて、中身を確認したくなるだろう。
⑵の「重要な情報を隠す」という手法も、読み手の興味を抱かせるのに有効だ。あなたにもきっと覚えがあるはず。話している相手が何かをしゃべりかけて途中で「やっぱりやめとく」と言われたらどうだろう? どうしても続きを聞きたくなってしまうのではないだろうか?
このように途中の宙ぶらりんな状況にされると興味をもってしまうことを、旧ソ連の心理学者の名前をとってツァイガルニック効果と呼ぶ。⑵の手法は、このツァイガルニック効果を応用したものである。