週刊ダイヤモンド11月1日号で既報の通り、米アップルを1次サプライヤーの島野製作所が独占禁止法違反と特許権侵害で訴えた。

続報アップルvs島野製作所 <br />証拠メールが暴く事の顛末今回の訴訟で、アップル製ノートパソコンMacBook ProとMacBook Air(写真)が日本での販売差し止めを請求されている
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 衝撃に拍車をかけたのが、アップルの資材調達担当者が島野に送ったされるメールが、証拠資料として明るみに出たことだ。その文面からは、数年に及ぶアップルとの生々しいやり取りと、島野が訴えるに至った背景が見て取れる。

「最新のフォーキャスト(出荷予測)に基づいた、C6用ピンの供給計画を送ってもらえますか」「今すぐその情報が必要だ」

 2012年2月初め、アップルの担当者はノートパソコンMacBook ProやMacBook Airの電源アダプタ接合部に必要な特注ピンの供給計画が、島野から送られてこないことに焦っていたようだ。

「先月日本で話し合ったように、4月の需要に応える約束はまだできない」「現在(出荷予測)量も増えてきており、再検討に時間がかかる」と返答する島野に、「事情は理解しているが供給計画が一刻も早く必要だ」と切り返した。

 さらに「東京での話し合いでは、1月31日までに渡してくれるはずだった」「今週末までに供給計画を渡せるように、あらゆる手段を講じてほしい」と迫った。文面の最後には「島野はC6のサプライヤーの中で唯一、供給計画を提出できていない。アップルの上級幹部たちから島野が目を付けられてほしくない」とまで添えた。