毎年、年末が近づくにつれ、テレビや雑誌で「1年のトレンド振り返り企画」が催される。しかし、既存メディアが行う専門家や一般人への聞き取り調査などを基にしたトレンド分析は、どうしても画一的になりがちだ。今回、ダイヤモンド・オンラインでは、日本で急速にユーザー数を増やしている「Change.org」というオンライン署名収集サイト上の署名活動で掲げられたテーマを基に、「今年、本当に注目すべきだったこと」「私たちにとって真に大切だったこと」は何かを考えてみたい。それはおそらく、世のトレンド分析で取り上げられそうなものとは、かなりイメージが異なるのではないか。(取材・文/プレスラボ・小川たまか)
「今年、本当に心に残ったことは?」
「Change.org」に見る2014年のトレンド
「今年、流行ったことは何だっけ?」――毎年、年末が近づくにつれ、テレビや雑誌で「流行語大賞」「ヒット商品番付」「トレンド分析」などが企画される。世の人々はそれを見て、去りゆく1年を感慨深く思い起こす。
今年はダイヤモンド・オンラインでも、そうした「トレンド振り返り企画」をお送りしたい。ただし、「今年最も注目されたもの・こと」について、識者や一般人に聞き取り調査などを行ったデータを基にしたものではない。世のテレビ・雑誌の多くがそうであるように、既存のメディアが行う聞き取り調査などは、どうしても質問内容や回答結果が画一的、表層的になりがちだからだ。そうしたアンケート結果から読み取れるテーマが、「今年、本当に注目すべきだったことなのか」「私たちにとって真に大切なことだったのか」ということは、一概に判断できない。
では、どんなデータを基にして2014年を「振り返る」べきか。今回参考にしたいのは、「Change.org」というサイトの署名活動で掲げられたテーマである。
「Change.org」は、利用規約に反しない範囲であれば、誰でもネット上で、あらゆるテーマで署名を集めることができるサイトだ。ネット上の拡散力を利用することで、うまくいけば3日で数万の署名を集めることもできる。このサイトの存在自体が、ITの進化が市井の声を形にしやすくした、1つの成功例と言えるかもしれない。
これは、もともと2007年にアメリカの社会企業家、ベン・ラトレイが創立者となって始めたソーシャル・プラットフォームだ。オンライン署名サービスの場を提供することで、ユーザーが自分の発信したい声を多くの人に伝え、賛同を集めることができる。