米オバマ大統領は2008年第1期の選挙運動で、メールやソーシャルメディアを活用して情報発信、ファンドレイジング(寄付金集め)を行なって、爆発的な支持を集めた。現在、インターネット上で署名活動を行なうプラットフォーム、Change.orgの日本のディレクターを務めるハリス鈴木絵美氏は、その選挙運動にボランティアとして参加し、オバマの選挙活動を肌で感じた経験を持つ。爆発的な支持を集めたオバマの選挙活動の裏側では、何が行なわれて、ネットをどのように活用していたのか。また、ようやくネットによる選挙活動が解禁された今の日本を、鈴木氏はどのように見ているのか、話を伺った。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

米国人の父と日本人の母の間に生まれ、高校卒業まで日本で育つ。米イェール大学卒業後はマッキンゼー&カンパニー、オバマ氏の選挙キャンペーンスタッフ、 ソーシャルインキュベーター企業Purposeの立ち上げなどを経て、2012年にChange.orgの日本代表に就任とともに帰国 Photo:DOL

アメリカではもうオンライン、
オフラインの議論も起こらない

――アメリカで、ネットが最大限活用される選挙戦を間近で見てきたエミさんは、いまの日本のネット選挙解禁について、どう見ていますか。

 この間新聞読んでいたら、「ネット選挙解禁でフェイスブックやツイッターやったりしても投票率は上がらない」って書いてあったんですけど、そんなの当たり前(笑)。とにかく、いまは期待が過剰(笑)。ネット選挙解禁になったからって、何か劇的に変わることはないと思います。ちょっと混乱気味ではありますね。