9月から急ピッチで進んだ米ドル安・円高の動きですが、米ドル/円は、88円割れ寸前のところで一息つきました。
ただ、これで米ドル安・円高のトレンドが終わったと考えるのは、早計ではないでしょうか?
過去を見てみると、米ドル/円は9月と10月に、同じ方向に動きやすい傾向があります。直近の10年間では、7年間が同じ方向に動いていました。
その意味では、今年の9月が米ドル安・円高となったわけですから、7割の確率で、10月も米ドル安・円高が継続するといった見通しになります。
米ドルの対円騰落状況 |
さらに、9月の値動きは、年末にかけての米ドル/円の方向性を考える上で、とても重要な意味合いを持っています。
前述した10月の「前兆」ということだけでなく、これまでは、11~12月の動きをも先取りしている場合が多かったのです。
つまり、9月の値動きは、経験的に「ダマシ」が極めて少ないということです。
今年の9月、大きく米ドル安が
進んだということは?
ただし、経験的に「ダマシ」が少なかったということで、これまでまったくなかったわけではありません。たとえば、2004年と2006年の場合、9月は小幅な米ドル高・円安となったものの、10月以降は一転し、米ドル一段安へ向かうところとなりました。
このように9月の米ドル/円が「ダマシ」となった時の特徴は、9月が「小動き」だったということでした。
その意味では、このようなケースは、9月が秋から年末にかけての相場の「ダマシ」になったというのではなく、10月から新たに大相場が始まったというほうが正しいと思います。
さて、今年の9月は大幅な米ドル安・円高となりました。そうなると、「9月が『小動き』で、秋の大相場が10月から始まる」というケースではないようですから、通常なら、9月からの米ドル安・円高が、さらに年末にかけて一段と広がっていくことになりそうです。
下に示したチャートを見てわかるように、8月から9月にかけて、ほぼ一本調子で米ドル安・円高が進みました。
米ドル/円 日足 |
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足) |
8月につけた高値は97円台後半で、9月に88円割れ寸前まで米ドル安が進んだということは、2カ月間で10円近くも米ドル安・円高になったということになります。
この流れは、今後も続くのでしょうか?