日本に対するピケティ氏の見解

 さて、ピケティは日本に対してどのように見ているのだろうか。先日、日経新聞に興味深いインタビューが出ていたので、まずそれを紹介しよう。

 それによれば、日本の現状をどう見ますかという質問に、

「財政面で歴史の教訓を言えば、1945年の仏独はGDP比200%の公的債務を抱えていたが、50年には大幅に減った。もちろん債務を返済したわけではなく、物価上昇が要因だ。安倍政権と日銀が物価上昇を起こそうという姿勢は正しい。物価上昇なしに公的債務を減らすのは難しい。2~4%程度の物価上昇を恐れるべきではない。4月の消費増税はいい決断とはいえず、景気後退につながった」

 と、アベノミクスには及第点をつけている。きわめてまっとうな答えだろう。

 日本のg(所得成長率)はここ二十数年間で世界の最低ランクだ。まずデフレ脱却して、2%程度の物価上昇にするのは、g(所得成長率)を高めることの第一歩である。g(所得成長率)が高まれば、累進課税などによって、格差の問題を解決するのは、それほどたいした話でなくなるだろう。