原油価格の暴落に伴うガス価格の低迷により、LNG(液化天然ガス)プラント建設の一本足打法で業績を伸ばしてきた千代田化工建設の足元が揺らいでいる。
昨年11月の2014年度上半期決算説明会の席で、澁谷省吾・千代田化工建設社長は、「LNG(液化天然ガス)プラントで利益を上げている間に、(LNG以外の事業を強化し)バランスの取れた事業ポートフォリオにしなければならない」と、中長期の課題に挙げた。
千代田化工の受注残高に占めるLNGプラント建設の比率は、14年度上半期で78.4%と、受注で競合する日揮を15.5ポイント上回る。すでに、澁谷社長は、「LNG比率を5割ぐらいまで下げる」と、“LNG一本足打法”から脱却する方針を表明してはいた。
ここにきて、澁谷社長が想定していた以上のスピードで、事業の多角化を進めなければいけない情勢になった。昨夏まで1バレル100ドル水準だった原油価格(WTI)が、1月に半値以下に暴落。ガス価格もそれに引きずられ、LNGプラントの計画が、凍結される懸念が出てきたのだ。