「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」
を言い続けると、そのとおりの人生になる

 私は講演会などで、たびたび「五戒(ごかい)」について話をします。「五戒」とは……、「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」の5つです。「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句」を口にしないように戒(いまし)めようというのが、私の唱える「五戒」です。

何があっても、「五戒」を言わずに、口から出る言葉がすべて優しく、周囲の人を元気づけるものであれば、神様や宇宙を味方につけることができます

 たとえば、信号を渡ろうとして横断歩道にさしかかったとき、ちょうど信号が青に変わる。買い物をしてお金を支払うとき、小銭入れの1円玉の数がピッタリだった。といったことがいつも起きる。言い換えれば、「ツキを味方にできる」ようになります。

 一方で、いつも「五戒」を口にしていると、神様や宇宙を敵にまわしてしまいます。なにげなく天気の不満を口に出している間は、否定的な論評をする癖がついたままです。どんなに一所懸命生きているつもりでも、神様や宇宙は味方になってくれません。

 人間は、「自分の発した言葉」で自分の人生をつくっています。「私」の周囲の環境や、自分が立たされた状況は、すべて「自分の発した言葉」によって形成されていきます。

 ですから、朝から晩まで、「嬉しい、楽しい、幸せ、愛している、大好き、ありがとう、ツイてる」と言い続けると、この言葉をまた言いたくなる現象や出来事に囲まれます(私は、「嬉しい、楽しい、幸せ、愛している、大好き、ありがとう、ツイてる」の7つの言葉を、七福神ならぬ「祝福神(しゅくふくじん)」と呼んでいます)。

 反対に、「五戒」を口にしていると、「ツイていない人生」を送ることになります。

 以前、午前2時くらいに、私に電話をしてきた方がいます。この人は、次のようなことを言いました。
「不平不満・愚痴・泣き言・悪口・文句を言わないでいたのですが、4ヵ月たっても、思いどおりの人生を送れない」

 私は、電話口で、こう答えました。

「そういうのを、不平不満と言うのではありませんか?」

 宇宙が自分の味方をしてくれない、自分の思いどおりの人生にならないと、嘆く人がいます。ですが、よく考えてみると、「電車に乗った」「電話をかけた」「お茶を飲んだ」「食事をした」といった日常の行動は、すべて自分の意思でそうしたものです。

 だとしたら、多くのことが「思いどおりになっている」ではありませんか。
また、こんな話もあります。東京に住む70代の女性が、50年間、ことあるごとに同じセリフを言い続けてきたそうです。

「20歳のときに会社を興してもダメで、40歳のときにボランティアグループをつくろうとしたときも人が集まらなかった。何かイベントをしようとしても、全部ダメだった。私の人生は、何をするにせよ、思いどおりにならなかった」

 この女性は、「私の人生は思いどおりにならなかった」と思い違いをしています。「全部、思いどおりになっていた。全部、言ったとおりになっていた」ことに気がついていません。

 自分の発した言葉が、人生をつくります。「思いどおりにならない」と言い続けたからこそ、たしかに「思いどおりにならない人生」を送ることになったわけです