雑談力の低下が招く
職場のうつ

 4人は全員、雑談力不足からくる問題を抱えている、と武藤氏。どんな問題なのか、それぞれ見ていくことにしよう。

■ナンバー1: 部下をうつにする男

有能で仕事の采配が上手な彼は、会社の中では出世コースを歩んでいる。だが、感情のコントロールがきかず、他人に細やかな配慮をすることができない。部下が挨拶しても、ちらっと目をやるだけ。前置きもなしに「おい、早く報告書出せ」「おい、この見積もり作っとけ」などとバンバン指示を飛ばし、必死で部下が仕事をこなしてもその労をねぎらわない。彼がいるときは全員が緊張し、職場が静まり返っている。チームのモチベーションは下がる一方。ついにはうつを患う社員も現れた。

■ナンバー2: 職場のうつを見過ごす男

人の意を汲むのがうまい彼は、横暴なナンバー1の“お守り役”とみなされている。だが、その心遣いを部下たちに向けようとはしない。いろいろと仕事を受け持たされて悲鳴を上げている部下が目に入っても、見て見ぬふり。強いものにはペコペコし、弱い者には威張る人間なのだ。

■ナンバー3:自己評価が下がるとうつになる恐れあり

自分から話をするのが苦手な彼。複数の人間と話すときはいつも聞き役に回っている。そんな自分のことを、心中ひそかにふがいなく感じているのだが、それを表には出せない。「聞いてばかりでつまらない」というネガティブな感情を、他人に悟られたくないのだ。ストレスが鬱積しているのか近頃よく眠れず、「ひょっとしてオレ、うつかなあ」などと思ったりしている。

■ナンバー4:いつうつになってもおかしくないタイプ

自分から話をしようとして失敗した原体験があり、以来、会話に加わることに恐怖感を持つようになってしまった。「人と群れるより、ひとり黙々と作業したり、趣味に打ち込んだりしているときのほうがほっとする」と感じている。その一方で、他人とうまく打ち解けられない自分への嫌悪感もある。時々ふっと「オレなんていなくなったほうがいいかも」と考えたりする。