日本一の商業地・銀座が息を吹き返している。リーマンショック後の、ユニクロなどの低価格衣料店全盛時代を経て、再び高級店の出店が盛り返してきた。大規模再開発案件も複数ある一方、地方の物産店や格安飲食店も続々参戦。かつての高級イメージとは様変わりだ。
ニトリも銀座に出店!
地方物産店やラーメン店も続々集結
長らく高級ブランド店の一大集積地として知られてきた銀座が、大変貌を遂げている。今では「物産店のメッカ」「ラーメン激戦区」と称されることもあるほど、高級店から低価格店まで、さまざまな業態・価格帯の店舗がひしめきあう商業地になりつつあるのだ。
今年4月には、有楽町駅前にあるプランタン銀座の6階に、家具チェーン大手・ニトリホールディングスが出店することになり、話題を呼んでいる。これまで、郊外に1500坪ほどの大規模店を構えることの多かったニトリだが、銀座の店舗の大きさはその3分の1~4分の1程度。家具のほか「オシャレで人気の高いインテリア商品を厳選して販売する」予定だ。
ニトリだけではない。ペッパーフードサービスは立ち食いステーキ店「いきなり!ステーキ」を銀座4丁目と銀座6丁目に展開。裏通りや、中心から少し外れた立地には、ラーメン通たちをうならせる、行列のできるラーメン屋がたくさんある。2008年のリーマンショック以降、ユニクロやフォーエバー21などの低価格衣料店、いわゆるファストファッションの出店ラッシュがあったが、食の分野でも低価格化が進んでいるのだ。
比較的高い年齢層のお客に人気なのは、地方自治体が展開するアンテナショップ、いわゆる地方物産店だ。14年は、石川県と金沢市、長野県の3店舗が新規出店した。地域活性化センターの調査によると、物産店が数多く集まるのは銀座1丁目(8県1市)と、有楽町駅前の東京交通会館(官民合わせて10店舗)。銀座を中心に、日本橋や新橋にも出店が相次いでおり、物産店マップ片手に丸1日楽しめるくらいの集積規模になっている。