スウェーデンには、民間人が近所の高齢者のケアをすると、国から費用と報酬が支給されるという制度があります。国民の相互扶助を有償で活用することにより、行政サービスの水準を維持しながら、行政コストを縮小するうまい方法だと思います。文化の違いもありますが、考え方は大いに参考にすべきでしょう。国や自治体はケアのためのハコモノや、関係する行政組織を大幅に縮小することができるのです。

 また、民間取引価格より5割から倍も高い、業者優遇の政府調達価格、いわゆる「官庁価格」は即刻廃止すべきですし、予算が目的とする「人」や「モノ」に届くまでに政府機関、関係法人、関係団体を経由することによる「目減り」も、根絶すべきでしょう。問題は「天下り」です。

 税の捕足率、いわゆるクロヨンも全く改まりそうにありません。消費税の増税をするならその前に是正すべきだし、是正すれば増税の必要がないほどの税収が得られます。国民の負担が増加する中で、最も大切なのは税の公平性です。

人口が減っても子どもが減っても
安心して豊かに暮らせる社会に

 そして最後に、インフラの崩壊をいかに食い止めるか。欧米先進国のように、耐用年数が長い丈夫で汎用性のある躯体をつくり、状況の変化に応じて間仕切りや内装を変えて行く「リノベーション」という方法も、有効な手段の1つです。しかし、個々のビル単位の対応だけでは、都市のスラム化は避けられません。やはり、インフラのストック管理を徹底するのが一番です。

 たとえば、一定以上の規模のビルや公共構造物の台帳をつくり、どこにどれだけのビルや構造物があるのか、向こう何年にどれだけが耐用年数を迎え、その建て替えあるいは取り壊しの費用はいくらかかりそうか、という情報を集めます。その上で、新規建設を規制・平準化したり、早期の建て替えや取り壊しを指導することで、インフラを良好な状態にを保とうというわけです。

 経済、年金、財政、そしてインフラというように、人口減少に伴い発生する日本のリスク、そしてそれらへの対応策を見てきました。

 確かに言えることは、日本人はこれから、人口減少を前提に考えて生きて行かなくてはならないということです。人口減少を阻止しようと考えるのではなく、人口が減っても子どもが減っても、引き続き安心して豊かに暮らせる社会をつくっていくほうに、目を向けるべきなのです。

>>前編『日本劣化は避けられるか? 「人口減少社会」の誤解と真のリスク』も併せてお読みください。記事はこちらです。