無我夢中で、気が付いたら涙が流れていた
おおご・すずか 1993年8月5日生まれ、神奈川県出身。子役としてドラマや映画で活躍。05年に行定勲監督の『北の零年』に出演。同年ハリウッド映画『SAYURI』に出演し、国内外の注目を集める。『グーグーだって猫である』(08)『おっぱいバレー』(09)やドラマ『セクシーボイス アンド ロボ』(07)などの話題作に出演。9月19日公開の『カムイ外伝』にも出演。 |
『SAYURI』でチャン・ツィイー演じる主人公の少女時代を演じ、11歳でハリウッドデビューを果たした大後寿々花。若手演技派として高い評価を得る彼女が、等身大の女子高生を演じたのが『女の子ものがたり』。人気漫画家の西原理恵子の自伝的作品を、深津絵里主演で映画化した作品だ。この中で、主人公の高校生時代を演じた大後に、映画について、そして映画のテーマでもある「大人になること」の意味について話を聞いた。
──今回演じたのは同世代の女子高生で、まさに等身大の役柄ですが、演じた感想は?
大後寿々花(以下、大後):私も学校で友だちと一緒に過ごしたり、休みの日に一緒に遊びに行ったりするので、演じていて共感できました。でも、銭湯の中に飛び込んだり、トラックの後ろに乗ったりするのは、絶対に経験できないことだったので、演じていてすごく楽しかったですね。
──おとなしかった主人公なつみが、友だちのきみこ(波瑠)やみさ(高山侑子)と、とっくみ合いのケンカをするシーンが印象的でした。
大後:友だちとのちょっとしたケンカなら経験がありますが、叩き合ったりしたことはないし、一人っ子なので兄妹ゲンカしたこともないので、最初はどうやって演じたらいいんだろうと思いました(笑)。
撮影の前日にリハーサルをしたのですが、その時も、本番の想像がつかなくて……。でも、私が演じるなつみは、友だちに突き飛ばされるまでケンカが起きるとは想像していなかっただろうから、私も撮影が始まる前に色々考えたりせず、撮影してみて、思ったままに動いてみたら、それが一番自然に映るんじゃないかと思って。あまり深く考えないようにしました。
撮影の時は無我夢中で、いつの間にか涙を流していましたね。そして、気が付いたら終わっていて……。すごく不思議な感覚でした。
──深津絵里さんが演じる主人公の高校生時代を演じたわけですが、役作りについて深津さんと相談したりはしたのでしょうか?
大後:していません。撮影は深津さんが先でしたが、見たりもしませんでした。
撮影時は、それぞれがどんな風につながるのか分からなかったのですが、原作と監督のイメージを合わせながら、大切に演じていけば、自然とひとつのキャラクターになるんじゃないかな、と思っていました。