もっとも、政府が直接関与する方式は、現地との調整もあり、簡単にできるものではありません。韓国のケースでも、時間をかけてここまでの体制を作ったのです。いずれにしても、かつては圧倒的魅力を誇っていた日本ですが、現在は韓国や台湾に競り負ける状況になりつつあるということです。

人材使い捨ての業界には
いずれ外国人すら来なくなる

――日本は技能実習制度を改めるべきなのでしょうか?

 人口減少への対応という観点からは、やはり移民型を議論すべき時にきていると思います。ただ、労働力確保といった特定の問題解決ばかりにフォーカスすると、対応を誤るでしょう。

 これだけグローバル化が進んでいるなか、人を「人的資源」と考え、人が移動をした際、その人も受け入れた社会も双方がトクをする、という体制を考えなければならない。ここをおざなりにすると、必ず失敗します。誰も、子育てもロクにできないような国には、行きたくないでしょう。これまでのような「使い捨て」の発想ではダメです。

 たとえば現在、人手不足が厳しい業種の1つに建設業界があります。建設業界は、ゼネコンをトップに重層下請け構造となっており、下請けの労働者たちは社会保険すら入れていない人が大勢いる、というような状況がいまだに続いている。これでは外国人労働者うんぬん以前の問題で、業界構造そのものがおかしいと言わざるを得ない。短期的には外国人が来てくれても、しばらくすると誰も来なくなった、という事態になっても不思議ではありません。

 もちろん使い捨ては論外なのですが、だからと言って、いきなり戸籍まで与えろというのではなく、共存できる体制をつくることを念頭に、「どこまで外国人に依存するのか」「どの程度、受け入れるのか」を議論すべきなのです。

 そもそも、日系人にしても実習生にしても、「労働者を受け入れたわけではない」という建前がいまだに存在していること自体がおかしいですよね。実際に受け入れているのですから、どう受け入れるべきかという視点でこそ、真剣に議論されなければなりません。